歯並び相談では、なぜ説明会でお話を聞いていただく必要があるのか?

<目次>
【はじめに 説明会を開催する大きな理由】
【顎の発育治療と歯列矯正治療は違うのか?】
【なぜ説明会は月に一度なのか】
【まとめ】

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【はじめに 説明会を開催する大きな理由】

 ひかり歯科医院では、歯並びの相談をされる方に対して「顎の発育説明会」という説明会を開催しています。

 なぜ説明会に参加してお話を聞いていただくことが必要なのか、というと、歯並びが成立する土台としての「顎」には、人それぞれ多様な発育の仕方があるからです。そのため、その治療は単純な歯並びだけの治療ではなく、しかも全員が同じような規定の装置によって同じように改善するものではない、という背景を知ってほしいからなのです。

 2020年の春頃までは、月に一度、説明会に参加を希望される保護者の方2名に来ていただいて「当院の治療方針」、「顎の発育に対する考え方」、「治療方法と費用やそれにかかる期間」、について説明会を行っていました。しかし、2020年の春以降は新型コロナウイルスの影響により院内で集まって集会を開くことを控えざるを得なくなってしまったため、動画サイト(YouTube)にアップした説明映像を見ていただくというスタイルに変更しました。
 その内容は、これまで通り顎の発育が歯並びに影響を与えるという内容にはじまり、顎の発育の仕組みやその理論について、そしてその原因は何によるものなのか?という背景について、となります。また、実際にどのような装置を使ったりどれくらい費用がかかったり、どのくらい期間がかかるのか、についても、それぞれ詳細な説明をしています。
 なお、説明会自体にかかる時間はおよそ2時間強になります。それくらい歯並びに関係する、いわゆる知ってほしい背景や理論的事実、科学的根拠があるのです。それらの中には専門的で細かい話もあるのですが、子どもさんの現状に向き合っていただいて、現状で治療が必要なのか、保護者の方が治療に対してどのようなスタンスでいるのか、じっくり考えていただきたいと思っています。

 顎の発育治療というのは、虫歯の治療のように少ない回数で済むものではありません。(とはいえ、むし歯治療だってそもそも1回2回で済むものではなく、予防的期間を設けてじっくり長期的に診断して治療計画を立てる必要はありますが。)
 要するに、子どもたちへの顎の発育に対する治療は、成長期にわたって関係していく、つまり、生涯にわたって長期的に影響するものだと考えています。だからこそ、保護者の方にはしっかりとした判断材料を持っておいていただきたいと思っているのです。

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【顎の発育治療と歯列矯正治療は違うのか?】

 顎の発育治療というのは、一般的に小児期の治療と言われています。その中でも、当院で手掛ける治療は「顎顔面口腔育成治療」という治療を取り入れています。一方、歯列を整える矯正治療は、「大人が行う矯正治療」として一般的に知られています。いずれにしても、そもそも歯列矯正治療は大人の矯正治療の方が一般的な認識なのかもしれません。しかし、もともとは小児期の矯正治療というものは古くから行われており、日本でも海外で100年以上の歴史があります。小児期から介入する方法では、未就学期から始まることも珍しくないため「保育歯科」などと呼ばれていたころもありました。それは成長や発達を利用して顎の成長から身体全体への成長を目標とした考え方なのです。
 
 このように、「大人を対象にした歯列矯正治療」、「小児を対象にした発育治療」はそれぞれ別物として存在するものだと考えていただくとわかりやすいと思います。

 大人を対象にした歯列矯正治療というのは、永久歯が生えそろってからになり、歯列を整えることを対象に治療します。そのため、ある時期を過ぎると「成長」という概念を除外していきます。言い換えると、骨格のアンバランスを是正することや顔つき、横顔のシルエットを変えるといういわば「骨格治療ではないもの」になります。あくまで「歯並び」ということを対象にしていくわけです。(もちろん一部シルエット的に改善ありと謳うケースもありますが)
 したがって、この場合は大人が対象になりやすく、治療も期間や費用も分かりやすい仕組みになっていることが多いです。そしてこれは審美的な面を目標とすることが多く、心理的満足が得られる治療であるため、子どもよりも大人が対象になりやすい、という一面もあります。

 一方、小児を対象にした発育矯正治療は、永久歯が生える前の段階、つまり乳歯のうちに治療する人たちを対象に治療しますので、当然ながら「成長期」の中にある人たちが対象になります。それは成長期の後半であったら成長に対する介入ができないため、あくまで成長期にさしかかる前の小児期、つまり小学生、その中でも小学校低学年の子どもたちがもっぱらの対象になります。
 当院の顎顔面口腔育成治療の場合は、頭蓋骨格の変化を目標にしているため対象年齢が低くなり、だいたい3歳くらいから介入を開始するのを理想としています。もちろん成長期は全般的に対象になることは可能ですので、それでも8歳くらいまでが対象限界ということになります。

 簡単にまとめると、
○大人の矯正治療
・年齢的に小学校高学年以降、目的が歯列の整列(噛み合わせ含む)、見た目を重視、治療期間は限定的(予測可能)、費用はほぼ一定
○小児の発育治療
・年齢的に小学校低学年まで、目的が発育と身体の健康(全身含む)、見た目はおまけ(人による)、治療期間は長期的(成長に合わせる)、費用はそれぞれ(低いとは限らない、むしろ高くなることあり)

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【なぜ説明会は月に一度なのか】

 ひかり歯科医院では、説明会を「月に一度」で行っています。そしてそれぞれの回に応じて人数制限を設けています。なぜなら、それは当院で請け負える人数に限りがあるため、制限なく受け入れることができないから、という理由からです。

 現在、つくばみらい市のみらい平地区では小児人口が著しく増えております。そのため、相談に来られる方も少なくありません。顎の発育治療に関して、いわゆる歯列矯正治療というイメージで永久歯が生えてからでいいやと考えていると、治療の時期を逸してしまうことがあります。なぜ時機を逸してしまうと言うかというと、顎の発育に関して適切な時期は「骨が成長する時期」、つまり思春期前にあたる8歳くらいまでがリミットだと考えているからです。もちろんこれは当院が小児の発育治療を重視しているからです。
 一方で、早めに相談に来られたとしても当院で請け負える許容人数というものがあります。現在、ひかり歯科医院で治療進行中の方は100名を超えています。当院では「RAMPA治療」や「バイオブロック治療」を取り入れた、”顎顔面口腔育成治療”という理論をもとにさまざまな一人ひとりに設計した方法で治療を行っています。したがって、一人ひとりに対応するためには、一医院で許容できる人数にも限りがあります。

 とはいえ、月に5組を限定にして参加していただきますが、もちろんそれは治療を開始しなければならない、というものではありません。お話を聞いていただき、まずは情報として子どもさんにとって必要なことを整理していただき、ご家庭でよく話し合いを行うなどじっくり向き合っていただく時間をとっていただきたいと思っています。その上で治療をする方もいれば、見送る方もいると思います。
 そのような説明会を受けていただいた結果、やはり月に数名、治療を開始する方がいます。その場合、限りある許容範囲の中でのご対応になってしまうため、一定の制限を設けているのも事実なのです。したがって、なるべくご要望に添った対応をしたいことと、医院のキャパシティ上、対応可能な範囲で受け入れ態勢を整えることのバランスを考えて、最初の導入である説明会が月に一度になってしまっている状況についてご理解のほどお願いしたいと思っています。治療を検討したい、希望している、という方には大変恐れ入りますが、医院事情もありますので、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。

【まとめ】
歯並びの治療には、永久歯列期を対象にした治療理論と、乳歯列期を対象にした治療理論がある
ひかり歯科医院では小児期の発育治療を重視している(顎顔面口腔育成治療を行っている)
必要十分な情報の提供と、医院で請け負える許容人数に対して一定の制限を設けているため説明会を行っている