日本人の足が短いのは、いつの世代から!?

日本人類学会の雑誌での報告です。

日本人の座高と身長の関係を統計的に計測した結果が報告されていました。しかも原著論文ですからしっかりとしたエビデンスに基づいているはずです。

その結果・・・残念ながら、日本人の足は短くなっているということなのです!

それが・・・しかも1978年生まれから短脚化が始まっているのです!

ショックを受ける方もいらっしゃるでしょうか。。。

ではなぜ短足になっていったのか、ということも説明しましょう。

1970年代以前に出産された女性たちの体型と、それ以前、つまり1940~50年代に出産された女性の体型が違うということが一つあります。ここで出産した女性たちの中でも、足が長い人たちはあまり子どもを産まなかったのに対して、足が短い人たちは子どもをたくさん産んだということが考察されています!

なんとも残酷というか、コメントしにくい状況です。

では出産後の環境的影響では足が長くなったりしないのか?ということも疑問になるかと思います。どうなのでしょう?

ここでは出産後の環境因子については否定されています。ある研究では、寝たきりで生まれた子供たちの追跡調査をしたところ、身長をはじめとしたプロポーションについて標準発育した子どもたちとの差は無かった、とのことが根拠らしいのです。

ということで、生まれてから足が長くなるようにいろいろ努力しても(正座しないとかいろいろ言われてませんでしたか?(笑))結局こればかりは遺伝的な影響が大きいということです。

ということで、短足で悩む人たちは悩んでも仕方ないということですね。そして日本人はどんどん短足になっていということです!

なぜこういう研究が必要かというと、いろいろな研究からプロポーションの変化により癌になりやすかったり他のいろいろな病気になりやすかったりする、という報告もあるからなのです。つまり健康へのアプローチの一つとして足の長さも必要なんですね。

足が長い=健康、というわけではないのですが、こういった変化が今後どのような健康状態への影響があるのかをこれから調査継続していくそうです。

だから学校で、座高を調べるのは必要なんです!(背筋力も)

クレームなどで学校検診の項目が少なくなっているという話も聞くことがあります。日本が世界に誇る統計データの削減、などせず、しっかり記録をとることを願います。

ただ、ちょっと視点を変えてほしい。もしかしたら生活環境の違いにより足が短くなってしまっているのではないのか???ということ。つまり、床に座らなかったり歩く距離が短くなったことが影響するのでは?

環境要因の否定は同世代ではできていても、時代の違いからどうなのかは検証されていない・・・今後の研究結果を待ちましょう。