出産の前に知っておくべきこと(胎児期からの赤ちゃん歯科)

赤ちゃん歯科は赤ちゃんから取り組むだけではありません。

赤ちゃんという定義は、基本的には出生から1歳くらいまで、つまり乳児期を示すことが多いようです。ただ、厳密にいつからいつまでということで決まっているわけではないようです。

赤ちゃん歯科ネットワークで考えている取り組むべき時期というのは、生まれてから赤ちゃんを対象にはしていますが、実際は生まれる前からいろいろと取り組むのが妥当だと考えています。なぜなら、赤ちゃんの成長や発育の状況というのは生まれる前の栄養状態や、胎内環境によって姿勢発達が大まかに方向づけられていくということも分かっているからです。

例えば、1960年代、小児科学会の田村先生の論文では赤ちゃんのときに摂取されたCa(カルシウム)の摂取状況により骨の発育が変わるという内容を提言しています。それは母親の栄養状態によって骨が変わるということです。ただ、それは栄養素のことになりますので実際どのようにすればどうなるかということは分からないでしょう。動物実験などでも実証されることとは思いますが、臨床でそれが変わるからと言って生活に踏み込んで何かできるというわけでもないはずです。

もし私たちが何かできるとすれば、ある程度食生活に注意する、もっと言えば、適度な運動、適切な食事、しっかり休む、ということが大切。これって生活の基本ですね。

また、お腹の中の状態によって頭蓋変形が起こることもヘルメット療法を手掛けるグループの研究から分かっています。これも論文で示されていますが、ヘルメット療法自体は賛否両論出ていまして、結論づけられている物ではありません。

どちらかというと、お腹の中の状況で赤ちゃんの発育に影響する、というのは事実らしいので、それを注意するために妊婦さんは姿勢や体勢に注意してもらうことが大切ということですね。

私たちは助産師さんと提携して、妊婦さんの心地よい姿勢や環境づくりをつくらなければならないという使命感はあります。ただ、それを知ってくれる助産師さんとの連携が大切になっていきます。もちろん助産師さんだけでなく、赤ちゃんを囲むいろいろな関係職種の方との連携もです。